[DTP向け]Source Han Sansの使い方 番外
 “DTPではどれを選べばいいの?”

Source Han Sansの公開から数日が経過しました。期待と称讃の中、多様なリリースをしているこのフォント群をどのように把握して扱えばいいのか、困惑している方がかなりいるようです。今後、実際に使う人が多くなると、その困惑はますます増えていくような気がします。そこで、DTPでの使用に限定して、Source Han Sansのどれを選べばいいのかを考えてみます。

でも結論から先に言ってしまいましょう、DTPでは「単言語版だけを使う」のがベストだと思います。以下、その理由。

TypeKit版

Source Han Sansには、マルチ言語版・単言語版・OTC版の3種類があります(その1参照)。ところが、DTPではさらにこの「TypeKit版」を加えて考える必要があります。フォント自体はダウンロード版の単言語版と同じです。ダウンロード版との違いは、

  • フォントメニュー名がローカライズされていない。同時にOTC版も使っているとフォントメニューでワケがわからなくなる。どのようにワケがわからなくなるのか説明もしたくないくらい込み入ったことになる。
  • InDesign CS5以降のパッケージでフォント収集されない(ダウンロード版は収集される。Apache 2.0ライセンスのオープンソースなので、DTPデータと一緒にフォントファイルを渡しても問題なし)

TypeKit版はDTPでまったくメリットがないので、選外。

マルチ言語版

マルチ言語版は「ひとつのフォントテーブルで複数言語のグリフを扱う」という画期的な試みがされています。これが最も使い勝手が良いです。しかし一方で、その仕様の限界も抱えています。
マルチ言語版のIVS
IVSは(今のところ)日本語の漢字専用です。なので、日本語以外の言語ではIVSが効かずにその言語のグリフになるのが筋です。しかしマルチ言語版だけは、日本語以外の言語も同じテーブルを共用しているので、日本語の漢字になってしまうところがあります。

そして、マルチ言語版自体の問題ではないのですが、日中韓の言語設定がIllustratorやPhotoshopではできない、できても中途半端という実情があります。

単言語版

フォントファイルの数が多いのが欠点ですが、そのかわりにシンプルで把握しやすいのが長所です。日中韓を言語機能で切り替えられず、フォントそのものを変えるしかないのも、言語機能の対応が異なる複数のアプリを使い分けるDTPにはかえって好都合です。そもそも単言語版は、すべてのアプリで言語機能が完全に対応されているわけではない実情を考慮して作られたようです。

OTC版

「単言語版ではないけどマルチ言語版とも言いきれない独特な仕様のもの」をまとめた複雑なものです。とくにInDesignで、フォントと言語設定の2つを同時に設定しなければいけないため、一層混乱しやすい仕様になっています。マルチプラットフォームではないこともマイナスで、これはDTPで避けたいフォントです。

使うのは1種類だけにする

Source Han Sansは上記4つの多様なリリースをしていますが、これらを同じ環境で同時に使用するようにはできていません。また、それぞれに完全な互換性はありません。同時に使い分けるのはかなり難易度が高く、あっという間に混乱に陥ります。常に1種類だけをインストールして使う必要があります。

結論

上記を踏まえると、DTPでは「単言語版だけを使う」のがベストだと私は思います。もちろんDTP以外では他の選択もあるでしょう。ここではDTPだけに限定して結論付けていることに留意してください。

2件のコメント

  1. こんばんわ。
    突然のコメントでスミマセン。
    Source Han Sansを商用の印刷物に利用できるかどうかを検索していた所辿りつきました。
    ライセンスのあるフリーフォントのDTP利用に関して明示してある情報がなかなか見つからず、
    大変恐縮ですが、ご教示いただければと思いコメントさせていただきました。

  2. まったく問題ありません。
    データ納品時にフォントファイルをコピーして同梱するのもOKです。
    InDesign CS5以降のパッケージ機能でも小塚フォントと同様に収集されます。

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