浮紙はv4からv8までかなり長い年月を要しました。しかもv5~v7は未公開でお蔵入りにしたので、かなり変化した印象を受けるでしょう。主にどこがどう変わったのかを挙げておきます。
CarbonからCocoaへ
v4はCarbonアプリであり、macOSのバージョンが上がるにつれて文字入力にかなり支障が生じていました。v8はCocoaアプリなので、快適に文字入力ができるようになりました。
シングルウインドウからマルチウインドウへ
v4はドキュメントウインドウがひとつしかなく、開けるファイルも常にひとつだけでした。v8は複数のドキュメントウインドウに対応し、同時に複数のファイルを開けるようになりました。
不可視文字の表示に対応
v8で宿願の不可視文字の表示に対応しました。Unicodeの基本多言語面の空白文字を一通り表示できるようにしています。さらに、たとえば欧文スペースのU+0020
とU+00A0
の違い、改行コードのCRとLFの違いなどが分かるように表示を区別しています。この機能はかなりこだわりました。
サイドバーからパネルへ
v4はテキスト整形機能をサイドバーに置いていました。v8はマルチウインドウなので、サイドバーに置くと管理が煩雑すぎます。1ヵ所で管理できるようにパネルとして分離しました。なお、v4のテキスト整形セットを取り込む機能がありますので安心してください。
テキスト整形機能で用いる文字クラスをブラッシュアップ
いわゆる全角/半角の区別をv8ではAJ1基準に見直しをして、DTPに最適化しました。
[幅なし空白文字削除]を廃止
v4のテキスト整形項目[幅なし空白文字削除]を廃止しました。v8で[特定文字の確認パネル]を新設し、そこで対処するように変更したからです。v4の旧整形セットの取り込みでは、[幅なし空白文字削除]は[特定文字を確認する]として取り込まれます。
付箋ウインドウの廃止
v4にあった小さな付箋ウインドウはv8で廃止になりました。付箋ウインドウがうまく機能していたのはCarbonだからであって、Cocoaではかえって使いにくいものになってしまったからです。あわせてv4のメニューバー[ウインドウ > 背面に移動]も廃止しました。
[往復互換性の検証]等を廃止
レガシーエンコーディングでどの文字が化けるのかをチェックする機能を廃止しました。レガシーエンコーディングで保存する時は文字化けのチェックをし、文字化けがあればアラートを表示するので、文字化けしたまま保存されることはありません。どの文字が化けるのかを調べる機能を廃止したということです。