+DESIGNING vol.34(2013年11月号)の『Glyphs Mini & OTEditクイックガイド』を担当しました。そこで書ききれなかったこと、書き漏らしたこと、書き間違えたことなどがあれば、ここで公開することにします。リンクもいろいろ貼っておきますね。
Glyphs・Glyphs Mini
Glyphs が CID-keyed フォントを作成できるようになりました
- vol.34 の発行時、Glyphs が 書き出せるのは Name-keyed だけでしたが、その後 CID-keyed の書き出しに対応しました。
Glyphs はどこで買えばいいの?
- Glyphs の App Store 版は、安定したバージョンのみにしているようで、なかなかアップデートされません。サイトで直接購入の方はアップデートの頻度が多く、新しい機能の追加や不具合の修正などが活発にされています。がっつり使う方は直接購入が良いでしょう。
- Glyphs Mini は App Store 版のみです。
特定のグリフをフォントに含めない方法
- 記事中(p.93)で「フォントに含めないグリフを削除する」と書いていますが、削除しない方法もあります。サイドバーの[フォント出力時に含める]のチェックを OFF にするだけで OK です。
グリフ名とコードポイントについて
- 各グリフには、Unicodeのコードポイントが表示されています。これが表示されていないと文字コードとつながっていないので、そのグリフを使うことができません。Glyphs(Mini)では「グリフ名とコードポイントのつながり」がアプリの内部ですでに決まっていて、自動的にコードポイントが設定されます。ユーザがコードポイントを入力して決めることはできません。
ただし「f_f」合字のようなグリフにコードポイントは表示されません。文字コードとつながるのではなく、フィーチャーで他のグリフとつながるものだからです。 - それでも自分独自のグリフ名にしたい場合は、[ファイル > フォント情報… > その他の設定]の「お勧めのグリフ名を使わない」を ON にすると、コードポイントを入力できるようになります。
重なったオブジェクトは出力時に合体できる
- 記事中(P.91)で「重なったオブシェクトは合体」と書いていますが、Glyphs (Mini)では、フォント出力時のダイアログで[重なったパスを合体]が ON になっていれば、自動的に合体してくれます。
合字について
- P.99 では合字を liga で作成していますが、不適切でした。dlig または ccmp にした方がいいです。
- P.99 の作例では「{★}」の3文字を合字グリフにしていますが、ここに約物の括弧があるのは不適切でした。行頭行末禁則の影響を受けてしまうからです。合字にする文字列に約物は含めないでください。
- 合字の説明で上記の大きなミスがあったことをお詫びいたします。
OTEdit
- Y極大点 超重要
その筋で有名な西岡さんが、ブログで 【フォントの作り方】イラレ→OTEdit を動画付きで公開しています。動画はわかりやすいですね〜。さて、その動画の最後に表れる「Y極大点」。なにそれ?! 西岡さんによると「3年ほど前に追加された機能で、これをしないと縦組みでズレてしまう。かなり重要なのにほとんど知られていない」とのことです。リファレンスマニュアルでも記載は最後尾、これは見逃してしまいますね。
リンク集
- Glyphs
- Glyphs App Store
- Glyphs Mini App Store
- 大曲都市さん(Glyphs 日本語部長)のブログ http://tosche.net
操作動画を公開されているページ ドイツからやってきた書体制作ソフトGlyphs