欧文フォント混植の理想と現実

縦組で英数字を欧文フォントにするのは、きわめて筋が悪い。どのように筋が悪いのかをtwitterで連投したので、ここに貼っておきます。

スペーシングの問題はフォントのグリフ、行分割の問題は文字コードに関わる話です。デジタル組版の文字は構成要素にグリフと文字コードの異なる2種類のデータを同時に持ちます。ですから、今のデジタル時代の組版設計は、グリフと文字コードの両方のふるまいを考慮しなければなりません。そうしないと、設計として成立しないのです。

ヒラギノをDTPで使うコツ

ヒラギノは一部の記号が他のAJ1フォントと異なります。例えば、他のAJ1フォントで「×」「÷」は和文用全角グリフですが、ヒラギノだけは欧文用プロポーショナルグリフです。以下がその一部の記号。

§¨°±´¶×÷‐′″ℏℵ↔⇒⇔∀∂∃∅∇∈∊∋∑−∓√∝∞∟∠∧∨∩∪∫∬∭∮∴∵∽≃≒≠≡≦≧≪≫≲≳⊂⊃⊆⊇⊕⊖⊗⊘⊠⊥⊿

DTPでヒラギノを使うと、これらの記号が欧文用になってしまうのでかなり悩まされます。でも、InDesignならこれらを正規表現スタイルで等幅全角字形になるように仕込めばOK。ついでに「‘’“”」も加えるとさらにグッドです。インデデさん大好き。

すこし詳しい説明

AJ1のCMapには大きく分けて「UniJIS」「UniJISX0213」の2種類があります。UniJISX0213はヒラギノだけに採用されています。それ以外のAJ1フォントはすべてUniJISです。

この2種類の違いについては、ちゃんと公式なドキュメントで説明されています。
[PDF]5078.Adobe-Japan1-6.pdf
このPDFの中に「aj16-cid2code.txt」というファイルが添付されていて、そこに詳細な説明が書かれています。

でも、どうしてAJ1にヒラギノだけが使っているUniJISX0213があるのか、その理由までは書かれていません。ここから私の推測なのですが、ヒラギノはmacOSのシステムフォントとして、UIでの表示を最優先とし、上記の記号を欧文用文字で表示するようにしているのかもしれません。日本語フォントとして上記の記号が欧文用なのは、率直に申し上げると、まともではありません。やはりAppleの意向に合わせた特異な措置なのであろうと思われます。

DTPでヒラギノを使うなら、UniJISX0213をUniJISに合わせた方が良いでしょう。方法は、上記の記号に等幅全角字形を適用するだけです。これだけでかなり使いやすくなります(中には欧文用の方が使いやすい記号もあったりするかもなので、そこは取捨選択してください)。

追記:
それほど大事ではないと思ったので省いたのですが、念のため書いておきます。UniJISとUniJISX0213の違いは上記のほかにU+2012「‒」があります。これはFIGURE DASH(数字の幅のダッシュ)と呼ばれるものです。しかしAJ1では数字の幅ではなく、UniJISはENダッシュ「–」、UniJISX0213はハイフン「-」と同じグリフが表示されます。まあでもFIGURE DASHを日本語組版で使うこともないでしょうから、これは無視して良いでしょう。

かなり前に作った一覧PDFもついでに公開しておきます。
[PDF]Difference in UniJIS and UniJISX0213.pdf

Glee Ai 1.4.0


Glee Aiを1.4.0に更新しました。
ダウンロードは Glee Ai ページからどうぞ。
Ai File Version もあわせて更新しました。

  • バージョン表示にOSの種類(Mac/Windows)を記載していたのを廃止した。


IllustratorファイルがMac/Windowsのどちらで作られたのかは、XMPのCreatorToolから取得していました。

実はこのCreatorTool、「別名保存をしないと更新されない」というかなり深刻な問題を抱えています。そのため、Windowsで作られたファイルをMacで開いて修正→そのまま保存すると、CreatorToolは更新されずWindowsのまま変わってくれません。不正確な情報を常に表示するのは良くないと判断し、OSの種類の記載をやめることにしました。

このCreatorToolは、Bridgeの情報「アプリケーション」にも表示されています。

ここも別名保存をしないと更新されないので、アプリ名以外のバージョンやOSの種類はまったくあてになりません。とくにIllustratorはCC以降、どのバージョンで開いても普通に保存できてしまうので、ここがずっと変わらずに間違った情報を保持し続けてしまいます。Adobeはファイルの作成アプリバージョンをBridgeのここで確認できると言っていますが、信用してはいけません。

InDesignで文字組みアキ量設定がCIDベースのとき[欧文][半角数字]の文字クラスに分類されるAJ1の全角グリフ調査

DTP Advent Calendar 2018 に参加してみました。19日に登録して文字バナするぞーとわくわくして意気込んでみたのですが、意気込みすぎて未完です。ごめんなさい…

タイトルがやたらに長いのですけど、わくわくして意気込みすぎた未完の文字バナは、このInDesignのPublish Onlineでどうぞ!

InDesignで文字組みアキ量設定がCIDベースのとき[欧文][半角数字]の文字クラスに分類されるAJ1の全角グリフ調査