あまおかさんのツイートがすごすぎる
知りたいって欲求の多くがウェブに食われて消費されてる
いつもキレてる @logicsystem あまおかさんですが、この26文字は箴言。
電子書籍をサービス業に
サービス(英: service)は、経済用語において、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことである。wikipedia
電子書籍を出版物小売業のまま「モノ売り」しているとすぐにやがて限界がきます。今はコンテンツの数が少ないのでモノ売りをするしかありませんが、いずれは「サービス業」として市場インフラを整備することになるでしょう。
この限界にいち早く直面したのが、日本の商用フォントメーカーでした。「フォントの代金は使用ライセンス料」としながら、あたかも「モノ」のようにバラ売りをしていたのですが、苦心の末に FONTWORKS が LETS という「サービス」を始めました。もちろんここには商用フォントの特殊事情が背景にあって1) 一概に電子書籍と同列にはできないのですが、デジタル著作物で対価を得るために「ユーザの所有欲を当てにしたモノ売り」から「効用や満足などを提供するサービス売り」へ移行することになった先例から学ぶことは多いと思います。
現在、電子書籍の消費者は「所有して自分のモノにするために金を払う」という感覚でいます。しかし、デジタル著作物は「形のない財」です。2)
もし記号に生命を与えるものを名づけろと言われれば、それは記号の使用であると言わねばならない。 ウィトゲンシュタイン「青色本」
デジタル著作物の対価性は「所有」ではなく「使用」にあります。フォントメーカーが苦心したことは、消費者からいかにしてデジタル著作物の「モノのメタファー」を剥ぎ落とすか、ということでした。「モノのメタファー」があるかぎり、消費者はそれを所有したがります。FONTWORKS LETS は「所有から使用へ」を一挙に解決するものすごいアイデアでした。3)
「所有から使用へ」「小売からサービスへ」の転換に成功した4) LETS の事例から分かることは、所有買いをしていた消費者に「サービス売りでより多くの満足を提供する」ために、所有利益を上回る使用利益の最大化「定額し放題」が不可欠であったということです。もちろんモノ売りは必要です。それと同時に、サービス売りとして「定額し放題」が今後どうしても必要になるのではないか、私はそう考えています。著作物を作る側とそれを享受する側の双方が幸せになるために。
追記:
Amazon-Kindle がモノ売りで成功しているのは、DRMをかけながらも「追加料金なしでどのデバイスでも読める」という使用サービスを第一義としていることが大きな要因のひとつでしょう。
- ユーザにはモリサワの独占状態を切り崩す戦略のように見えました [↩]
- 紙本も当然著作物ですが、同時にモノでもあるので他人にあげたり貸したりできます。しかしデジタル著作物ではそれが違法になります。モノ売りをしておきながら「モノのように譲渡することは違法」とするズレは、消費者に恒常的な不満を与え続けます。 [↩]
- 「使用にお金を払っている」ことを消費者に無理なく認識させ、双方が幸せになれるアイデアであった、ということです。 [↩]
- 当初はこれで利益が出るのか? と思いましたが、8年も続いているのですから成功したといえるでしょう [↩]
