GlyphsにはAdobe-Japan1でフォント出力できる機能があります。エラーなしに出力するには、以下の条件をクリアしている必要があります。
- グリフがすべてあること。
- グリフ名がMapFileAdobe-Japan1.txtに記述されているものと完全に同一であること。
グリフの数は、AJ1-3やAJ1-6などのSupplementによってそれぞれ異なります。たった1つのグリフが欠けているだけでエラーになったりするので、かならず網羅している必要があります。
そして数が合致しているだけでなく、グリフ名も完全に同じでなければいけません。そのグリフ名はGlyphs.appの中にあるMapFileAdobe-Japan1.txtに記述されています。
ここにきわめてやっかいな事情があります。Glyphsはアップデート時に、MapFileAdobe-Japan1.txtのグリフ名を変更してくることがあるのです。しかもリリース情報に記載されず、サイレントでこっそり行われます。
グリフ名変更に対処するには
対処方法は2つあります。
ひとつは、グリフ名変更にあわせてglyphsファイルのグリフ名をリネームする方法。ここではどのグリフ名が変更されたのかを把握する必要があります。具体的には新旧バージョンのMapFileAdobe-Japan1.txtの差分を調べる作業になります。バージョンが離れているほど異なるグリフ名の数が多くなり、たとえばv2.2.2とv2.6.5には1862個に違いがあります。
(このアプリはダウンロードページからダウンロードできます)
これをひとつずつglyphsファイルでリネームしていくのは、ほとんど不可能でしょう。数が肥大化するのを避けるため、変更される度にこまめにリネームしていくのは可能でしょうけど、アップデートの度にメンテナンスを繰り返すのはかなり疲弊感があります。
そこでもうひとつの方法。フォント出力時に使われたMapFileAdobe-Japan1.txtを保管しておき、Glyphsがアップデートされたらそれに差し替えてしまえばいい。これが最も簡便でおすすめです。なんでしたらMapFileAdobe-Japan1.txtを自分で編集し、グリフ名をcid00001といった連番にしてずっとそれを使い続けるのもありです。アップデートの度に差し替える必要はありますが、リネームするよりはるかに簡単で確実です。
追記
グリフ名変更に対応できるようglyphsファイルを修繕するアプリも作ったので、一応これもダウンロードできるようにしておきます。