文字コードの字体包摂の根拠を「人間が文字をそう認知しているから」と説明する向きがありますが、私は常々そうではないのではないかと感じています。
文字コードは工業生産の体系です。人間の言葉の体系ではありませんし、文字の体系でもない。これがまず大前提。
工業生産の体系で言葉を扱うのが文字コードです。そして人間の言葉の体系は決してそのようにはできていない。このとき文字コードは、言葉に合わせるのではなく、一方的に言葉を自分に合わせようとする。
工業生産体系の価値は、実利性の一点にあります。役に立たたなければ誰にも使われない。そのため、ひたすら実利性の確保を妨げるものを排除する。人間の役に立つために。続きを読む →