DTP制作向けのテキスト整形の話です(みんな大好き文字沼)。
Acrobat ProはPDFの閲覧だけでなく、編集もできるアプリです。その編集機能のひとつに「テキストを追加」があります。これで追加したテキストブロックは、横書きから縦書きへの変更ができてしまいます。
DTP制作では、この縦書きがまあとんでもなく極悪です。ここではそれがいかに極悪かを説明します。
注釈代わりにテキスト追加で縦書きにする極悪
このごろはゲラの校正としてPDFに注釈を入れてくることが増えました。そこでよくあるのは、校正のための注釈機能がちゃんとあるのに、わざわざPDF編集機能の「テキストを追加」を使ってしまうことです。しかもこれを縦書きにしてしまうのが極悪。
約物が極悪
校正戻しですから、校正指示で入力された文字をPDF上でコピーして使うわけです。そこが縦書きテキストブロックの箇所だと、約物が極悪なことになります。約物の文字コードが、なんと縦組用約物の文字コードに変わってしまうのです。極悪許すまじ。
縦組用約物は、かなり昔、縦組みにするときに使っていたようです。今はもう縦組みでこんな文字は使いません。DTPアプリでもこんな文字が混入するのは事故の元であり、百害あって一利なしです。
どうすればいいのか
この極悪な縦組用約物を解決するにはどうすればいいのか。それは、単純に通常の横組用約物へ置換するしか方法はありません。そこで検索置換用の一覧を作ってみました。
縦組用約物を解決する一覧.txt
よかったら参考にしてみてください。
ちなみに、浮紙にはデフォルトで「縦組用約物を解決」の機能があるので、浮紙愛用家の皆さんは必ずこれを仕込んでおくのを推奨します。
なお、Unicodeのプロパティにもマッピングはあるのですが、縦組用約物「︵」が欧文の「(」にマッピングされていたりするので、DTPで利用できるものではありません。