2023.3.29 改訂 間違っていた箇所を修正。
Illustratorって、リンクファイルのリンクがいつどこで変わるのか把握しにくくて、管理が難しいですよね。そこで「Illustratorはリンクファイルをどうやって探しているのか」をここで整理してみます。
まず、大前提から。Illustratorファイルの中には「リンクファイルがどこにあるのか」の情報がフルパス(絶対パス)で保管されています。下図は、保管されたリンクファイルのフルパスの例です。
Illustratorは、ファイルを開く時、保管されたフルパスをもとにしてリンクファイルを探します。この時、探しに行く順番があるのです。この順番がとても重要なんです。
- フルパスに同名ファイルがあったら、そのファイルとリンク
- 1 がなかったら、Illustratorファイルと同じ階層にある同名ファイルとリンク
- 2 がなかったら、Illustratorファイルと同じ階層にあるLinksフォルダ内の同名ファイルとリンク
ファイルを開く度に、Illustratorはかならずこの順番でリンクファイルを探します。
さらに、Illustratorのバージョンで違いがあります。
- CS6(v16.0)まで:2番目まで探しに行き、なかったらリンク切れ
- CS6(v16.1)以降:3番目まで探しに行き、なかったらリンク切れ
とにかく、どのバージョンでも、かならず1番目から順番に探しに行くのだと覚えてください。
たとえば…
下図のように画像ファイル9個をリンクしている場合を見てみます。よく見ると同名ファイルが混在してることが分かります。
この画像ファイルのフルパスがすべて変更されたとします(上位フォルダの名称を変えたり、上位フォルダを移動したりするだけでフルパスは一気にすべて変わります)。そしてその状態でaiファイルを開くと、Illustratorは1番目(保管されたフルパス)で同名ファイルを見つけられないので、次の2番目で探します。するとどうなるか…。
2番目は「Illustratorファイルの同階層にある同名ファイルとリンク」ですから、こうなってしまいます。何の警告も出してきません。この現象は2番目で発生するので、Illustratorの全バージョンで同じ結果になります。同名ファイルをリンクするのはまじでヤバいんですよ…。恐怖!
と、このように1番目から順番に追っていくと、Illustratorがリンクファイルを選んだ理由が分かるようになるのです。
ちなみに、InDesignも同じ現象になるのですが、なんと、ちゃんと警告してくれるんですよ! インデデさん大好き!
Tweet