InDesignファイルの作成バージョンを検出する

私が忘れがちなのでメモがわりに書いておきます。

InDesignファイル(ドキュメント、ブック、ライブラリ、テンプレート)には、先頭から30バイトあたりに作成アプリバージョンの情報があります。
以下はその検出をPython 2.7で書いてみたものです。

「old pattern」と「new pattern」の2つあるのが注意点。「old pattern」はCS2(v4)までの記述方法で、それ以降は「new pattern」で記述されます。

ここで気をつけなければいけないのは、「old pattern」で記述されたものは、以降のどんなに新しいバージョンで保存してもずっと「old pattern」のままだということです。「new pattern」にするにはIDMLで書き出すしかありません。したがって、どのバージョンのファイルであっても、「old pattern」「new pattern」のどちらかで調べる必要があります(Glee 1.15.0はこれを忘れてバグってしまいました)。

さらに注意点。このPythonのコードはマイナーバージョンまで検出していますが、(CS5.5を除いて)マイナーバージョンはあてにありません。マイナーバージョンの記述は「別名で保存」ではじめて書き換えられる箇所です。ずっと「別名で保存」をしないで上書保存されてきたファイルは、マイナーバージョンの記述が不正確なままです。本当ならメジャーバージョンだけにしたいところですが、CS5.5があるのでしかたなくマイナーバージョンまで検出している次第です。

Glee 1.15.0 → 1.15.1

不具合を直して1.15.1にしました! Glee Web サイト
いつもごめんなさい!


Glee_icon
Glee 1.15.0 を公開しました!
ダウンロードは Glee Web サイトでどうぞ。

これまでPPC/Carbon版も同時に出していたのですけど、さすがにちょっと苦しくなってきたので、今回からCocoa 64bit版のみにしますね。

InDesign 2021 v.16 に対応しました。このv.16からファイル内のバージョン記述がFから10に繰り上がっていました。これに対応したのが1.15です。

約物Webフォント「約味」(YakuAdj)

Webフォント「約味」(YakuAdj)を公開します。和文の句読点や括弧が連続したときのアキを自動調整するフォントです。
https://github.com/monokano/Fonts

以前、「約猫」(YakuCalt)というWebフォントを公開しました。これも約物が連続したときのアキを自動調整するフォントです。GSUBのcaltを使って実現しています。

今回公開する「約味」は、まったく同じ自動調整をするのですが、異なるのはGPOSのchwsとvchwを使って実現していることです。
Contextual Spacing GPOS Features—Redux

約味(YakuAdj)の良いところ

  • グリフの数が約猫の半分なので、フォントファイルのサイズがより軽い。
  • フィーチャーコードがcaltより分かりやすい。

約猫(YakuCalt)の良いところ

  • Webブラウザ上のテキスト選択箇所がズレない(約味は選択箇所が視覚的にズレてしまう)。
  • CSSで縦組/横組ともにcaltだけ有効にすれば良い(約味は縦組でchws、横組でvchwと区別して有効にしなければいけない)。

約味と約猫のどちらも一長一短がありますね。お好きな方をお使いくださいな。

PDFの注釈としてテキストブロックを縦書きにするのは極悪

DTP制作向けのテキスト整形の話です(みんな大好き文字沼)。

Acrobat ProはPDFの閲覧だけでなく、編集もできるアプリです。その編集機能のひとつに「テキストを追加」があります。これで追加したテキストブロックは、横書きから縦書きへの変更ができてしまいます。

DTP制作では、この縦書きがまあとんでもなく極悪です。ここではそれがいかに極悪かを説明します。
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やっかいな漢字 – CJK部首補助/康煕部首

DTP制作向けのテキスト整形の話です(楽しい文字沼)。

CJK部首補助や康煕部首の漢字は、とてもやっかいです。なにがやっかいかというと、見た目では通常の漢字と区別ができないことです。

文字コードが違うのにどうして見た目がこれほど同じなのかというと、フォントの同じグリフが表示されているからです。

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