SPAiとIllustrator 2021 v25.1.0

SPAiはIllustrator 2021 v25.1.0でほとんどで動作しません。これはv25.1.0の不具合が原因です。v25.0.1をインストールしなおして使うのをオススメします。

詳細

v25.1.0には、AppleScriptの「do javascript」が動作しない不具合があります。SPAiはスタンドアローンのアプリなので、Illustratorの外から操作する必要があり、そこで内部処理としてAppleScriptが必須となっています。.jsxファイルの実行にはAppleScriptの「do javascript」を使っているので、モロに不具合の影響を受けてしまっています。
(動作しないのは.jsxファイルの実行のみで、それ以外の.scptなどは動作します)
方針として、SPAi側で対処することは考えていません。Illustrator側の不具合なのでIllustratorのバグフィックスを待つことにします。

Illustratorのバージョンについて

Illustratorのバージョンは「数字.数字.数字」と表記され、「.」で区切られた3つの数字で区別されています。

  • 1番目の数字はメジャーバージョンと呼ばれます。新機能の追加、システム要件の変更など、かなり大きな区切りです。
  • 2番目の数字はマイナーバージョンと呼ばれます。システム要件はそのままに新機能追加などがされます。
  • 3番目の数字は、Adobeではセキュリティパッチバージョンと呼ばれています。不具合修正も含んでいるので、バグフィックスバージョンでもあります。不具合修正がされるほど数字が大きくなっていきます。

Illustratorのバージョンでは、3番目の数字にも注意してください。v25.1.0は3番目の数字が「0」なので、不具合修正がされていないバージョンということになります。もちろんリリース前に見つかった不具合は直されているのですが、リリース後にも不具合が多く見つかっているのが現状で、「0」はそのリリース後に見つかった不具合の修正がまったくされていないことを意味しています。

仕事でIllustratorを使うときは、不具合に悩まされたくありません。Illustratorがアップデートされたとしても、3番目の数字が「0」なら、自衛策としてあえてアップデートしない選択をするべきでしょう。
(バージョンの区切られた数字が「25.1」のように2つしかない場合、これは3番目の数字「0」が省略されているのであって、「25.1.0」が正式なバージョン表記です)

今、DTP業務でM1 Macを使うのは愚行

今現在、発売されたばかりのM1チップ搭載MacでDTP業務をしようとして、トラブルに見舞われてしまい、困っている人たちが続出しています。
はっきり言いましょう。今、DTP業務でM1 Macを使うのは愚行です。

M1 Macを購入し、情報発信している方々は、アーリーアダプター層です。彼らは新しいM1チップでのトラブル発生をむしろ望んでいるくらいの人柱たちです。そんな彼らの「速い速い」という無邪気な情報発信を鵜呑みにしてはいけません。

DTP業務では、なによりもトラブルのない安定した設備が求められます。「トラブルのない安定した設備」とは、すなわち、不特定多数の人たちが長期にわたりDTP業務で使い続けてきた実績のことです。M1 Macにその実績はまだ微塵もありません。

今、実績がないM1 MacでAdobeアプリが正常動作しないのは当たり前です。正常動作するようにこれからフィックスされていくのですから。トラブルに見舞われて困ってしまっても、その責任はAppleにもAdobeにもなく、アーリーアダプター層でもないのに拙速にM1 Macに手を出してしまったその人自身にあります。

こんなことは、DTPで業務をする上で、最低限の情報リテラシーなんですよ。

追記
この記事は、M1 MacでAdobeアプリが正常動作しなくて困り果てるような人たち向けです。そういう事態に陥るのを予見もせず(代替設備を用意することもせず)困り果てること自体が情報リテラシーに欠けているのです。

追記
現在、M1 Macで使えるmacOSは11.3 Big Surのみですけど、そのmacOS 11.3で発生するAdobe DTPのトラブルです。
macOS 11.3以降から一部書体利用時にPDF保存が実施できない問題について | InDesign
これはInDesignだけでなく、他のAdobeアプリでも同様に発生します。とくにIllustratorはaiファイル保存時のPDF互換処理で発生して保存できなくなります。さらに「Illustratorに関しては25.3.1アップデートにより解消しております」と書かれているものの、v25.3.1は深刻な不具合が多い事故バージョンなので使ってはいけません。

GlyphsのAJ1グリフ名について

GlyphsにはAdobe-Japan1でフォント出力できる機能があります。エラーなしに出力するには、以下の条件をクリアしている必要があります。

  • グリフがすべてあること。
  • グリフ名がMapFileAdobe-Japan1.txtに記述されているものと完全に同一であること。

グリフの数は、AJ1-3やAJ1-6などのSupplementによってそれぞれ異なります。たった1つのグリフが欠けているだけでエラーになったりするので、かならず網羅している必要があります。

そして数が合致しているだけでなく、グリフ名も完全に同じでなければいけません。そのグリフ名はGlyphs.appの中にあるMapFileAdobe-Japan1.txtに記述されています。

ここにきわめてやっかいな事情があります。Glyphsはアップデート時に、MapFileAdobe-Japan1.txtのグリフ名を変更してくることがあるのです。しかもリリース情報に記載されず、サイレントでこっそり行われます。

グリフ名変更に対処するには

対処方法は2つあります。

ひとつは、グリフ名変更にあわせてglyphsファイルのグリフ名をリネームする方法。ここではどのグリフ名が変更されたのかを把握する必要があります。具体的には新旧バージョンのMapFileAdobe-Japan1.txtの差分を調べる作業になります。バージョンが離れているほど異なるグリフ名の数が多くなり、たとえばv2.2.2とv2.6.5には1862個に違いがあります。

(このアプリはダウンロードページからダウンロードできます)

これをひとつずつglyphsファイルでリネームしていくのは、ほとんど不可能でしょう。数が肥大化するのを避けるため、変更される度にこまめにリネームしていくのは可能でしょうけど、アップデートの度にメンテナンスを繰り返すのはかなり疲弊感があります。

そこでもうひとつの方法。フォント出力時に使われたMapFileAdobe-Japan1.txtを保管しておき、Glyphsがアップデートされたらそれに差し替えてしまえばいい。これが最も簡便でおすすめです。なんでしたらMapFileAdobe-Japan1.txtを自分で編集し、グリフ名をcid00001といった連番にしてずっとそれを使い続けるのもありです。アップデートの度に差し替える必要はありますが、リネームするよりはるかに簡単で確実です。

追記

グリフ名変更に対応できるようglyphsファイルを修繕するアプリも作ったので、一応これもダウンロードできるようにしておきます。

Glow Ai 2.0.4

Glow Aiのバグフィックスバージョンを4にアップしました。
Glee & Glow | macOS & Illustrator.app

  • 修正 Big Sur 11.0で起動しない不具合を直した。

現状使っている方は、ダウンロード不要です。
ついでにGlee Aiも1.6.4にアップデートしたのですが、今回の不具合と微塵も関係ないのでそれこそダウンロード不要です。
あかつきさん(ヒトバシラー)いつもありがとうございます!